生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
「うそ……」
教室に入って来た男子生徒を穴があくほどに見つめます。
十七歳の春。
出会ってから百年、二百年。
三度目は同級生として貴臣様と再会しました。
隣の席になっても彼は私に声をかけません。
それもそのはず。
あれほど酷い別れ方をしたのですから、私たちはもう恋をすることはないでしょう。
(愛なんて知らない。そんなものはない。こんなのただの未練だ)
決して彼を見ないように。
ですが本能には勝てません。
たまに目を向けてみれば彼と目が合いました。
真摯な眼差しから逃れることは出来ず、見つめられる度に私は胸を締めつけられました。
私たちの間に会話はありません。
視線が交わるたび、私の中で時が止まったかのような感覚を味わいます。
まるではじめに出会った頃のよう。
視線を交わすことが愛を交わす行為でした。