生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
そうして一か月。桜が散った後に彼が動きます。
燃え盛る瞳が私を射ぬきます。
問答無用で私の手を掴み、屋上へと向かいます。
「待って……。もう私は」
「もう限界だ! いつまで待てばいい!? 待っていれば手に入るのか!?」
「いや……」
「いいかげん、愛されろ! 逃げれば逃げるほど、あきらめが悪くなるんだ!」
指が絡まり、手の甲に彼の唇が触れます。
解ける糸のように絡みが解けると、今度は手のひらにくちづけを落とされます。
熱のこもった視線をぶつけられ、私は涙を零します。
(愛がこわい。だって、愛はすぐに消えてしまうものでしょう?)
腹を痛めた子でさえ背を向ける。
自尊心ばかりで私の心をないがしろにする。
いつまでも私をかわいそうな目で見る世界。そうやって生きるしかない。
強がっているのではない。
弱い私でいることしか知らないのです。
私は誰からも愛されないし、愛することも出来ない。