生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜

「どうして私を愛してるなんて言えるのですか?」


その言葉に彼はひゅっと息をのみます。

巡り会えても彼を傷つけることしか出来ない。

嘘ばかりついて、決して本音は口にしない。

拗れてひねくれていく。

華やかな容貌をし、人を惹きつける割に中身が伴わない出来損ないの牡丹の花。

触れればその壮麗な姿はあっという間に散ってしまいます。

花を暴かれれば暴かれるほど、愛されるはずがありません。

愛なんて明確な形がないものを与えられても、失うことが恐ろしい……。

この執着は永劫。愛と呼んで許されるでしょうか?


「俺は諦めが悪いんだ。それは二百年もねちっこくね」


イタズラに微笑む姿に目を丸くします。

この人はこんな風に笑う人だっただろうか?

やさしい眼差しだったのに、今は苛烈な目だ。

愛されているというより、その感情が染み付いているような……。


「愛してるさ。三百年も想っていたら、愛する感覚は狂うよ。もうやさしいだけの貴臣じゃない」


親指が唇を撫でる。

涙で濡れて、潮っぽい味がします。


絡み取られるように背に手がまわり、強く抱きしめてきます。

あまりにも熱い抱擁に感化されて。
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