生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
(狂ってる? そんなの、あなたを離さない私のことだ)

私は震える声で彼に問いかけました。

「私は……貴方を愛してもいいんですか?」

「うん。そうしてほしい。共に過ごす百年を知りたい」


あぁ……この人には敵わない。

愛さずにはいられない。

もうこれが愛なのか、執着なのかわからない。

彼から感じる想いも、最初の頃と比べれば泥まみれだ。


(ひどい女。だけど罪悪感はマシになったかも)


縛り付ける想いの程度が同じなら、手を伸ばすのも許されそうだ。

自分勝手なこの執着愛。

好いた男を離さない。

か弱くみせて、儚く微笑む。

強がりの微笑みではなく、私らしく微笑むとやはり少し、嘘つきの顔だ。


「愛し方がわからないの。だって愛してくれたのはあなただけで」

「うん。俺も正しい愛なんてわからない。もうやさしいだけの男ではいられないんだ」


まだ愛すること、愛されることに自信を持てたわけではありません。

彼の言葉が私の中に染みわたります。

それはこれまで抱えていたものが少しだけ軽くしました。


これから先の未来を見ることは眩しい。

これが愛なのか、長年にもわたる執着なのか。

私たちはお互いに愛が狂ってしまいました。

ですからまずは、百年いっしょに生きてみましょう。


二百年前も、百年前も描くことの出来なかった未来がここにあるかもしれませんから。
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