生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
「……あぁ。ようやく触れられた」
恍惚に彼は微笑みます。
私の目からこぼれ落ちる涙を何度も親指で拭い、そして唇で涙をすくいます。
そのまま私たちの唇は重なり合いました。
ただ触れるだけで満たされる。
最上級の幸福に涙は止まりませんでした。
彼の背中に手を回し、全身で彼を感じます。
唇が離れたとき、互いに少し恥ずかしくなって目を反らし、笑い合いました。
「やっと手に入れた」
そう言って笑う彼につられて、私もまた顔を綻ばせます。
絡め、絡め、絡みつけ。
互いに執着して、花を咲かせます。
これから先の百年も、その先も、ずっとずっと巡り合うと信じて。
牡丹の花はそう願い、咲き誇るのでした。
【完】