生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜

あいらしき女、近くてもイタズラに微笑む距離感。

それを忘れてしまいたくなる。

弱い私でもいいかと、漆黒の瞳に問いたいのです。

偶然、居合わせただけとはわかっていても。

背中をさすってくれた大きな手も、低く穏やかな声で紡ぐ言葉も。

どうか私のために……と願っては消しました。

「貴女は本当に、牡丹という名がよく似合いますね」

まるで搾り出すような呟きに私の足は止まります。

振り返ってはならないと。

歩みを止めてはならないと、わかっているのに私は振り返ります。

交わった視線は切なく。

眉尻を下げて笑う姿に恋しさを知りました。


それから何度も何度も、彼はただの奉公人としてくるばかり。

言葉もくれぬ冷たいお方と思いながら、視線を交わしました。

言葉をいただけたら嘘でも身を焦がす。

女の愚かな恋は手折ってしまいましょう。

愛は必要ないと強気で口にしながらも、愛に飢え、喉が渇くばかりでした。