生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
私は秋月様の肩を突き飛ばします。

焼け付くような喉の痛みと胸の苦しさに耐え切れず、その場で咳き込みました。

勢いよく吐き出された血が秋月様の袴に染みていきます。

目の前がかすみ、蓄積されていた疲労と熱の影響で私の身体は畳の上に倒れてしまいました。

腕が部屋の隅に置いてあった行灯を倒し、紙から畳へと火が燃え移ります。

秋月様は火とは反対側にある障子扉に背中をぶつけながら後退ります。


「おおおお前、病持ちだったのか! 伝染ったらどうしてくれるのだ!!」


汚いものを見る目で私を見下す秋月様を見て、心は冷えていきます。

ここは愛を語らうも偽りに満ちています。

上辺だけの愛を囁き、囁かれる。

そうすることで生きていく場所です。

一度ここに入った女は蔑まれても。

罵られようとも、引き裂かれようとも。

ここにしか根を張ることが出来ないのです。

大輪の花を咲かせたいとは思わない。

恋しくおもった人のために花を咲かす女になりたいと願いました。
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