生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
この身はどれだけ呪わしいのでしょう。

いとしい男の前で、他の男に偽りの愛を口にします。

挙句の果てに捨てられて、身体も動かすことが出来ない。

そうして終えていく生に何の意味があったのでしょう。

(ただ言葉が欲しかった。見つめられるたびに恋焦がれ……)

美しい私を見せたかった。


「このっ……!」

「おやめください。秋月様」

力の入らなくなった身体が強くたくましい温もりに包まれます。

肩を抱く大きな手も、少し憂いを帯びた表情も、漆黒の瞳が私を映すこともたまらなくいとおしい。

(もう……いいです。これは夢なのですから)

彼の首に手を回し、彼の胸に身体を預けます。

「貴臣っ……きさまぁ! 二人して私を騙しておったのか!」

「申し訳ございません。しかし彼女を罵るのは耐えがたいのです」

かすむ視界。

うなじを指でなぞられ、吐息が漏れます。

肩を上下すると額に唇がおちてきて、やさしい目を向けられます。

視線を交わしていただけで、惹かれるのは単純なこと。

(私は恋がしてみたかった。その相手が貴臣様が良いと思っていた)

だがこれ以上、恋が進むことはないでしょう。

その先にある想いを知らずに私は逝くしかないのですから。

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