生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
あぁ、咲きたい。
咲きたい、咲きたい、咲きたい!
なのに叶わぬこの願い。
ならばどうか、女たちが自由に咲き誇れる時にまた彼と出会えますように。
どうか彼と同じ目線で、同じ景色を見て、同じように笑っていられますようにと。
「貴臣様を好いた私をお許しください。これからも、ずっと……」
私は溢れんばかりの笑顔を浮かべます。
貴臣様も笑って、私たちは唇を重ねます。
互いの唇が赤く染まり、心は満たされていきますが、身体は冷たくなっていきます。
もう私たちの目が合うこともありません。
燃え盛る炎がバチバチと音を立て大きくなり、室内には煙が充満します。
火は部屋を焼き尽くす程度で収まりましたが、その後誰も二人のことを語る者はいませんでした。
牡丹という名の女が願った小さな幸せが叶ったかも誰も知りません。
そこに生きたことを忘れて欲しかったのか、忘れないでいてほしかったのかを知る者も――。