なぜか彼氏ができない
「でもさ、彼氏ができるかどうかなんてタイミングとご縁でしょ? おかしくなんて無いんじゃない?」
結芽ちゃんが言う。
「だって大学までは人並みに彼氏がいたんだよ? 就職したら急に……あ」
「ん?」
「会社がダメ? アウトドア用品て色気無さすぎ?」
「えー? そんなこと——」
結芽ちゃんが言いかけたところで
「モテない理由を会社のせいにするなよ」
背後から、低音ボイス。
椅子に座ったまま、頭と目線だけグイッと上部後方に向ける。
なんていうか、誰からも嫌われないタイプの顔をしたイケメン、鈴木林志朗、同じく二十五歳……の天地逆転した顔。
「それくらいしか理由がないもん」
「メイクばっちりなのにアウトドア用品に詳しい女子なんてむしろモテるだろ。ギャップで」
「お? それは自分の好みかな?」
結芽ちゃんがニヤニヤしながら聞く。
「バッカ、ちげーよ」
全力否定の林志朗。
顔の向きを戻して、思わず「はあ」とため息をついてしまう。
「つまりリンリンはこう言いたいわけね」
「リンリンて呼ぶなって言ってるだろ」
「〝私自身に問題がある〟って」
ジトッとした目で見ると、林志朗は焦った顔をする。
「そんなこと言ってないだろ? 会社のせいじゃないって言っただけで、マギに問題があるなんて言ってないって。マギがモテないのはおかしいって思ってるよ」
焦って否定する彼に私は「ふふっ」と笑う。
……林志朗のこういうところが、実は大好き。
結芽ちゃんが言う。
「だって大学までは人並みに彼氏がいたんだよ? 就職したら急に……あ」
「ん?」
「会社がダメ? アウトドア用品て色気無さすぎ?」
「えー? そんなこと——」
結芽ちゃんが言いかけたところで
「モテない理由を会社のせいにするなよ」
背後から、低音ボイス。
椅子に座ったまま、頭と目線だけグイッと上部後方に向ける。
なんていうか、誰からも嫌われないタイプの顔をしたイケメン、鈴木林志朗、同じく二十五歳……の天地逆転した顔。
「それくらいしか理由がないもん」
「メイクばっちりなのにアウトドア用品に詳しい女子なんてむしろモテるだろ。ギャップで」
「お? それは自分の好みかな?」
結芽ちゃんがニヤニヤしながら聞く。
「バッカ、ちげーよ」
全力否定の林志朗。
顔の向きを戻して、思わず「はあ」とため息をついてしまう。
「つまりリンリンはこう言いたいわけね」
「リンリンて呼ぶなって言ってるだろ」
「〝私自身に問題がある〟って」
ジトッとした目で見ると、林志朗は焦った顔をする。
「そんなこと言ってないだろ? 会社のせいじゃないって言っただけで、マギに問題があるなんて言ってないって。マギがモテないのはおかしいって思ってるよ」
焦って否定する彼に私は「ふふっ」と笑う。
……林志朗のこういうところが、実は大好き。