なぜか彼氏ができない
優柔不断とか、優しすぎるなんて言われてたりもするし、私もそう思うけど、それの何が悪いの?
「彼氏が欲しい」なんて言ってるけど、林志朗と付き合えるなら、付き合いたい。
だけど林志朗は、気が強めな私のことを怖がってる気がする。
ただの〝同僚〟か、良くて〝友だち〟としか思ってくれてないのは明らか。

「今日、飲みに行かない? ひさびさの同期会で私を慰めてよ。リンリンだってどうせヒマでしょ?」
「どうせヒマって……」
だって林志朗が飲みの誘いを断ったことなんて無いもんね。
「いいね〜! 私店予約するー!」


十九時。
「かんぱーい!」
結芽ちゃんが予約してくれたスペインバルで私たちはワインで乾杯して食事を始めた。
テーブルの上にはチーズやオリーブを使ったピンチョスや、生ハム入りのサラダ、チーズのピザなどが並んでいる。
食べ物の趣味が合うってところが、この同期たちの好きなところの一つ。

「だいたいさーマギって合コン行き過ぎなんじゃない?」
飲み会開始一時間。
若干目が座りはじめた結芽ちゃんがワインを片手に言う。
「主催者の結芽ちゃんがそれ言う? 結芽ちゃんなんて彼氏いるくせに合コン開いてるじゃない」

「私は情報収集とマギの保護者として行ってるだけだからいいの!」

「保護者? なにそれ」
「何って、マギに悪い男が寄ってこないように監視してんのよ」
「え? 合コンなのに?」
思わず眉を寄せてしまった。
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