夙夜夢寐
Episode"3
私と胡桃、そして久石くんの前には大勢の人。
しかも明らかにガラが悪い。
「自己紹介して」
私たちの隣に並ぶ5人の男性。
それを見て思わずため息をもらした。
なんでこうなってしまったんだろう……。
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「だから行かないでって言ってるじゃん……!」
あまり機嫌がよろしくない胡桃を横目に見ながら久石くんの言葉を無視して歩く。
「だからどうして?って聞いてるじゃない」
もともと機嫌がよろしくない胡桃は、吐き出すように話している。
そろそろ久石くんが可哀想だと思って胡桃に声をかけようとした、その時だった。
「透羽!遅いよ!……だれ?」
大きな声を張って久石くんの名前を呼んだ人は私たちを見ると声を低くして呟くように言った。
「ごめん!和希!……悪いんだけどこいつらも連れて行っていい?」
「は?連れて行くってなによ。もう行こう彩葵」
……胡桃の声がものすごく低くなった。
めんどくさいなぁ。