夙夜夢寐
「ごめんね、胡桃?今日はやっぱり私の家で遊ぼう?……ちょっと疲れちゃったかも」
「そうなの!?大丈夫?え、もう今日遊ぶのなしにする?全然いいよ、彩葵の体調の方が断然大事!……早く帰ろう」
よし!胡桃の声のトーンが戻った。
ほんとは優しいのよ胡桃って。
胡桃は隣で何かを話している久石くんと和希さん?を横目に、私の手を引っ張って校門から出た。
"グイッ"
「わっ!……痛!」
胡桃には前から引っ張られ、後ろからは和希さん?に思いっきり引っ張られた。
その結果、勢いよくコケた私。
……恥ずかしすぎない?
今すぐ現実逃避したい、それか時を前に戻したい。
「彩葵!ごめん!ほんとにごめん!大丈夫?」
私が一瞬の間現実逃避していると、胡桃の泣きそうな顔が映った。
「大丈夫だよ。そんな泣きそうな顔しないの!」
最後は笑い気味に言うと胡桃は安心したようで元の表情に戻った。
……ほんとに気分がころころ変わるよね。
しんどくないのかな、ちょっと心配。
「それよりも!ねぇ何がしたいの?あなた達は」
コケたのは胡桃のせいじゃないし、全部この和希さん?のせい。
私がその言葉を発したら、久石くんと和希さん?は私と胡桃の腕を引っ張って校門に止まってた車に乗せた。