夙夜夢寐


「おーい!久しぶりに透羽様が来たぞー!みんな元気にしてる?」


「きもっ……」


胡桃、心の声漏れてるよ。


「んなっ!胡桃!きもいは酷い!」


「透羽!こんなとこで立ち止まらずに進んで、今日はお客さんがいるんだから」


この部屋から大きな笑い声が響いた。

ビクッと体を震わせた私のことを繋いでいた手に力を込めて私がいるよ、と思わせてくれる親友は、この場所にすぐに馴染んでしまいそうで怖くなった。


さらに下に向かって続いている階段を降りて着いたのはこれまた広い部屋。

……そこには、仲良くゲームをしている2人の男の人。


「おーおかえり。遅かったなっ!?は?だれ?」


「お疲れ様、透羽、和希!……悠羅、さっき連絡来てたの見てないの〜?」


「……とりあえず柊亜と夏葵ちゃんが帰ってきたらみんなの前で自己紹介ね」


さっきの大勢の前で自己紹介するの?

よろしくする気なんてないんだけど。


「先にここにいる人だけでも名前を教えてもらえないですか?」


……なんか胡桃はよろしくするつもりっぽいなぁ。

どうしよう、でも。

胡桃だってこんなことが許されないってことを分かってるよね……?


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