モウセンゴケ〜甘い香りに誘われて

「気に入って頂けましたか?」

「えぇ、とても気に入りました。ですが、私の内面も醜い男だったら、どうします?」

「外見は、直しようがありますが、内面は、変わらないものですし、鷹也さんは、モラハラですか?」

「フッ…面白い。僕は、愛する女性には、誠心誠意尽くします。体も心もあなたに快楽を与えることはあっても、危害は与えませんよ」

陰キャな姿だが、声がいいせいか、言葉も甘く、内容も艶めかしくて、頬が熱くなる。

「やはり、可愛い人だ」

また、頬を指の背で撫でられて、別人なのに、あの時の男に重なって見えてしまう。

「結婚に向けて話を進めて構いませんね⁈」

「はい、お願いします」

その後は、お互いの連絡先を交換して、彼の車で家まで送ってもらうことになった。

その車は、イメージと違い、外車で軍用車のような厳ついボディで、今の彼から想像できない、かけ離れたイメージの車に驚かされ、かたまった。

「車が趣味なんです」

鷹也さんの外見からは想像できない出来事に驚かされ、会話も豊富で、知識もあり、楽しい鷹也さんに驚かされるばかりだ。

人は、見た目じゃないのだと、つくづく思い知る。
< 32 / 62 >

この作品をシェア

pagetop