モウセンゴケ〜甘い香りに誘われて
彼は、ただ、平謝り、自分が悪かったと反省して、子供のように甘え、抱きついてきたのは可愛かった。
「優香、幸せになるんだよ」
養父となった叔父は、涙を拭い、大きな扉を見つめた。
扉が開き、大きな拍手がなり、プランナーの女性が進むように手を差し出し、私達は、ゆっくりと赤い絨毯の上を歩いていく。
祭壇で待つ男の元へ。
こちらを振り返った鷹也さんを見た義母と一華は、列席で驚き声をあげる。
傍迷惑な2人には、冷ややかな視線が向けられ、悔しそうに顔を歪めている姿が目に入り、笑みが溢れるのだ。
祭壇で彼の手を取り、誓い合う。
どんな困難なことも共に歩むことを誓い、彼がベールをあげ微笑む。
私達は、人目を気にすることもなく、ひやかす口笛が鳴る中、長い間唇を重ねたのだ。
階段下で、ブーケ・トスを待つ人々の隅で、一華も待っているが、どういう心境なのだろう?
私が投げたブーケは、静香お姉ちゃんがキャッチして喜んで手を振るので、私も手を振り返す。
そして、男性向けに、ガータートス。
これには、抵抗したのだが、彼の唯一の希望らしく、抱きついて甘えられたら頷いてしまったのだ。
ドレスの中に潜り、艶めかしく肌を撫でて唇でガーターを外していく。