俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
さっきはどうしても一緒に入れなかった露天風呂。ぼんやりとした間接照明が夜の闇についているだけになり、私は彼に抱かれたまま湯船に浸かった。恥ずかしいけれど、どうしても足に力が入らなくなってしまった。こんなこと初めて。でもそんな姿の私を見て彼は嬉しそうに抱き上げてきた。

「早速香奈美のお世話ができて嬉しいよ」

「そんなぁ……」

情けない声の私を楽しむように彼は私の髪にそっとキスをした。

「夫の特権だろ?」

そう言われると何も言えない。夫、という響きが私の胸をくすぐる。

「これからも何でも協力し合おう。お互いすれ違わないように話し合っていこうな」

「うん」
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