俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
「今まで悠真のために尽くしてきた。それなのに私のせいって言うんだね」

むなしくて思わず口に出すと、悠真はビクッとしていた。

「出て行って」

自分から出たと思えないような低い声に私自身驚く。

「な、なんで俺が出ていくんだ。出ていくのならお前だろ」

「結婚資金を貯めてくれるって言って悠真は家賃払ってないよね。それに生活費だって出してない。お金貯まってるはずだよね? それを持って出て行って」

私の方が慰謝料をもらいたいくらい。でも今はそんなことよりも1秒でも一緒にいたくない。

「俺は出て行かない!」

「じゃあいい。私が出て行く」

それだけ言うと私は近くにあったバッグに目につくものを詰めこむと部屋を出た。

「おい、香奈美! 待てよ」

引き止める彼の声が背中に聞こえてくるが、そんな声さえ鬱陶しい。
ドアを閉めると私は駅へと向かい、ビジネスホテルを探した。


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