俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
車は気がつくと駐車場に止められていた。
「はい、着いた。さて、ご飯を食べるか」
エンジンを切り、シートベルトを外すと車のドアを開けている。私も慌ててシートベルトを外すと後部座席に置かれた荷物を取ろうとした。食べたあとそのまま帰れるようにと思ってのことだが、藤代さんには身軽でと言われてしまい、いつものトートバッグだけを持つと彼の後ろについて行った。
のれんもない家のような引き戸を開けると中から元気な声が聞こえてきた。
「いらっしゃい! お、藤代くんか」
「こんばんは、大将、幸代さん」
よく来ているのか気安い感じで声をかけている。いつもの藤代さんよりのフランクで、こんな一面もあるのかなというくらいにふたりとの会話が弾んでいる。私たちは半個室のようなところに案内され、飲み物を注文する。
月曜の今日はお酒の気分ではない。それだけではなくこれからのことを考えると気が重くなる。飲んでいる場合ではない。藤代さんに誘われ、ときめいてしまったが現実問題としてこのあとどうしたらいいのか頭の中が混乱している。
「中丸さんは食べられないものある?」
藤代さんがお手拭きを受け取りながら私に尋ねてきた。
「何もないです」
「そう。よかった。ここは大将のおすすめが出てくるから最初に苦手なものだけ言っておくシステムなんだ。どれを食べても絶品なんだから味は保証する」
その言葉に思わず唖然とした。そんなお店に入ったことがない。出されたものとなると料金が心配になる。最初から固定料金なのだろうか? それとも食べた分の支払いなのだろうか? 高級食材が出てきたらと考えただけで冷や汗が出てきてしまう。そういえばのれんも出ていなかった。一見さんお断りのお店なのかもしれない。財布の中にいくら入っていたか不安になる。カードは使えるのだろうか? 内心慌てる私に気がついたのか藤代さんは幸代さんがいる前で、ククッと笑っていた。
「はい、着いた。さて、ご飯を食べるか」
エンジンを切り、シートベルトを外すと車のドアを開けている。私も慌ててシートベルトを外すと後部座席に置かれた荷物を取ろうとした。食べたあとそのまま帰れるようにと思ってのことだが、藤代さんには身軽でと言われてしまい、いつものトートバッグだけを持つと彼の後ろについて行った。
のれんもない家のような引き戸を開けると中から元気な声が聞こえてきた。
「いらっしゃい! お、藤代くんか」
「こんばんは、大将、幸代さん」
よく来ているのか気安い感じで声をかけている。いつもの藤代さんよりのフランクで、こんな一面もあるのかなというくらいにふたりとの会話が弾んでいる。私たちは半個室のようなところに案内され、飲み物を注文する。
月曜の今日はお酒の気分ではない。それだけではなくこれからのことを考えると気が重くなる。飲んでいる場合ではない。藤代さんに誘われ、ときめいてしまったが現実問題としてこのあとどうしたらいいのか頭の中が混乱している。
「中丸さんは食べられないものある?」
藤代さんがお手拭きを受け取りながら私に尋ねてきた。
「何もないです」
「そう。よかった。ここは大将のおすすめが出てくるから最初に苦手なものだけ言っておくシステムなんだ。どれを食べても絶品なんだから味は保証する」
その言葉に思わず唖然とした。そんなお店に入ったことがない。出されたものとなると料金が心配になる。最初から固定料金なのだろうか? それとも食べた分の支払いなのだろうか? 高級食材が出てきたらと考えただけで冷や汗が出てきてしまう。そういえばのれんも出ていなかった。一見さんお断りのお店なのかもしれない。財布の中にいくら入っていたか不安になる。カードは使えるのだろうか? 内心慌てる私に気がついたのか藤代さんは幸代さんがいる前で、ククッと笑っていた。