俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
お会計を済ませると彼の車にまた乗せられ、私は彼のマンションへ行くことになった。
車で15分くらい走ると地下駐車場に入った。
え?と思った時にはすでに車を止めていた。

「ここなんだ」

そう言うと後部座席に置かれていた私の荷物を持っていた。
私は慌てて助手席から降り、荷物を受け取ろうとするが彼はそのまま歩き始めてしまう。私は慌てて彼の後をついて行った。
ここって、もしかしてあのブエナビスタなのではないか。
1年前に分譲で売りに出て一時期ニュースでも話題になってきた高級マンションだ。都心にできた高層マンションで贅沢にも1区画がかなり広く値段も億単位だと見た。悠真と一緒に、こんなところに住む人はどんな人なんだろうと当時話をした記憶が蘇る。
エレベーターに乗り込むと彼はモニターにカードをかざす。するとエレベーターは24の階数表示をし、急上昇を始めた。

「こっち」

あっという間に24階に到着すると彼は右に進む。左にドアが3つ、右に3つ見える。彼はその一番奥のドアの前まで来ると先ほどのカードで玄関を開錠した。

「どうぞ」

ドアを開けられると正面にはリビングが見えた。私はその先に見えた夜景に思わず釘付けになってしまった。玄関から動けずにいると藤代さんはスリッパを出してくれ、私に中へ進むよう促された。足を進め、リビングに入るとそこにはあまりに広いリビングでまたも言葉を失った。L字型に置かれたグレーのソファは7、8人は余裕で座れそうだ。前に置かれた黒のテーブルが目を惹く。その奥にあるダイニングも大きなテーブルが置かれ、椅子が8脚あった。同じように揃えたのか椅子はグレーで、テーブルは黒だった。壁は白く、ラグはグレー。ここから見えるアイランドキッチンは大理石のように見えるのは気のせいだろうか。モノトーンで揃えられたと思われるこの部屋の全てがまるでモデルルームのようで非現実的な空間にいるようだった。
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