俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
浴室に入るとここもシックにまとまっていてバスタブは白だが全体的にダークブラウンでまとめ上げられていた。
このブエナビスタができた時テレビでも取り上げられていたのを思い出す。情報番組でもこんな素敵なマンションが都内の一等地に立つなんて家賃はいくらなんでしょうね、とコメンテイターが話していた。私もいざこのマンションに来てみてため息しか出ない。まさか間借りとはいえ私がここに足を踏み入れることになるなんて想像もつかなかった。
藤代さんが同じ部屋にいると思うだけでなんだか気持ちが落ち着かない。私は急いでシャワーを浴びるとバスルームから出てきた。

「バスルームをお借りしました。ありがとうございました」

キッチンにいた彼に声をかけると、グラスに水を注いでくれ渡してくれた。

「そんなに慌てなくていい。ゆっくり使うといい。それにいちいちお礼はいらない。ルームシェアするんだからお互い気を使うのはやめよう」

「わ、わかりました」

「それからこれはこのマンションのカードキーだ。エレベーターに乗る時も必ず使うから気をつけるように」

私はカードキーを受けとると頷き、握りしめた。

「もう少しこれからの話を詰めたいがもう遅いし週末にまた話をしよう。ひとまず今週は気負わずに住んでみてくれ」

「わかりました」
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