俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
翌朝目が覚めるとカーテンの合間から光が漏れていた。
昨日どこからか出してきてくれたマットレスを藤代さんが床に敷いてくれた。ベッドは改めて購入すると言われたがいつまでいるかわからない私のためにしてもらうう訳にはいかない。マットレスで十分であると伝えると彼は渋々頷いた。毛布と羽毛布団も袋に入ったままの物を持ってきてくれたので予備があったのだろう。
昨日泊まったビジネスホテルとは質の違う布団にまだ寝ていたい気持ちはあったが、彼が何時に起きてくるのかもわからない。洗面所をどのタイミングで使っていいのかもわからない。
時計を見るとちょうど6時。いつもなら起きて悠真の朝食の準備に洗濯、夕飯の下拵えまでしていたのでこの時間の起床が癖になってしまったのだろう。部屋の中は静まり返っておりまだ藤代さんは起きていないのだろう。私はそっと部屋を出ると洗面所へ向かう。手早く洗面し髪の毛をくくると自室に戻り着替えをした。化粧まで済ませると念の為冷蔵庫を開けてみたがもちろん何もなかった。あるものは調味料とミネラルウォーター、ビールとチーズくらいだ。憧れのエスプレッソマシーンが置いてあるのが目に入るが残念なことに使い方がわからない。口にできるものは水くらいのようだ。
私は昨日使ったコップを取り出すと冷蔵庫から取り出して注いだ。
改めてキッチンから見るとなんて広いダイニングにリビングなのだろう。40畳はあるのではないだろうか。昨日は気がつかなかったがソファの正面にはみたこともないような大きさのテレビが壁にかかっていた。
窓に近づき、カーテンを開けると正面に電波塔が見える。他にも川が見えたり、公園らしき緑が見えたりする。窓を開けると冷気が入り込むが、空が澄み渡り気持ちがいい。

「おはよう」

後ろから声がかかり振り向くと髪の毛がボサボサの藤代さんが立っていた。

「朝早いんだな」

「おはようございます。ごめんなさい。起こしてしまいました?」

「いや、いつもと同じだ。よく眠れたか?」

「おかげさまで」

小さく頷くとあくびをしながら洗面所に行ってしまった。私はそのままベランダに出て外を眺めているといつの間にか彼は顔を洗ったのか髪の毛もいつものようにアップスタイルにまとめ上げられていた。
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