俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
「すごいですね、咲坂さん」

「あぁ、時間がものを言う時もある世界だからな。逆恨みも多くて、あいつこそ依頼人の旦那に刺されたこともあるくらいなんだ。だから危機管理が前より身についている」

「刺されたこともあるんですか？」

あまりにショッキングな話に私は動揺してしまう。

「でもそうならないように危機管理意識を持っているんだ。だから君にもやりすぎだと思うくらい気をつけてほしいと思っているんだ」

「わかりました。藤代さんにも今以上にご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」

私はソファから立ち上がると改めて彼に頭を下げた。
彼は立ち上げあると私の頭を上げさせ、背中をまたさすってくれる。

「大丈夫だ。迷惑なんかじゃない。必ず助けてやる」

彼にそう言ってもらえるだけで不思議と安心する。まるでぬるま湯に浸からせてくれるように私の居場所をくれ、守ってくれているように感じてしまう。

「咲坂の持ってきたお土産を食べるか？」

そういうと彼はキッチンに行き、もらったお菓子を開ける。

「コーヒーにする？　紅茶？」

「紅茶かな。あ、私が淹れますよ」

「このくらいなら俺だってできる」

彼はケトルに水を入れるとスイッチを入れた。
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