俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
でもそんな周りの声を気にしている暇はない。私はどうしても定時に帰り、スーパーに寄って買い物をして、すぐに煮込みハンバーグを作らなければ……。
まもなく定時。なんとか仕上がった資料を真鍋くんのパソコンに送信してデスクを片付け始めた。よかった、とホッとしたのも束の間。つい終業間近に取ってしまった電話が取引先からのものだった。そこで話が立て込み、時間がどんどんと過ぎていく。やっと担当者に繋ぐことができた時には18時半になっていた。
私はバッグを持ち、慌てて会社を飛び出した。
エントランスを抜け、駅までの道のりで悠真に電話をかけた。
「悠真? ごめん。遅くなって今会社を出たの。すぐに帰るから待ってて」
『はぁ? またかよ。腹減ったんだけど。っつーかなんで女の香奈美がそんなに忙しいわけ? 要領悪すぎ』
「ごめん。急ぐから……」
電話の向こうで大きなため息が聞こえる。
『もういいわ。腹減ったし香奈美を待ってらんない』
そう言うと電話が切れた。
私はスマホを手に立ち止まってしまう。
私だって努力してる。でも仕事を放り出すわけにはいかない。社会人の悠真ならわかってくれるもんじゃないの?
呆然と立ち尽くしていると後ろから声をかけられた。
まもなく定時。なんとか仕上がった資料を真鍋くんのパソコンに送信してデスクを片付け始めた。よかった、とホッとしたのも束の間。つい終業間近に取ってしまった電話が取引先からのものだった。そこで話が立て込み、時間がどんどんと過ぎていく。やっと担当者に繋ぐことができた時には18時半になっていた。
私はバッグを持ち、慌てて会社を飛び出した。
エントランスを抜け、駅までの道のりで悠真に電話をかけた。
「悠真? ごめん。遅くなって今会社を出たの。すぐに帰るから待ってて」
『はぁ? またかよ。腹減ったんだけど。っつーかなんで女の香奈美がそんなに忙しいわけ? 要領悪すぎ』
「ごめん。急ぐから……」
電話の向こうで大きなため息が聞こえる。
『もういいわ。腹減ったし香奈美を待ってらんない』
そう言うと電話が切れた。
私はスマホを手に立ち止まってしまう。
私だって努力してる。でも仕事を放り出すわけにはいかない。社会人の悠真ならわかってくれるもんじゃないの?
呆然と立ち尽くしていると後ろから声をかけられた。