俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜

変わり始める関係

翌朝目を覚ますと瞼が重かった。
悠真に壁際へ追い込まれるのが思ったよりもショックだったのか夢でうなされてしまった。
顔を洗いに行くといつもなら時間が合わないはずの藤代さんに会ってしまう。
昨日の今日でどんな顔で会ったらいいのかわからない。

「おはよう、って目が晴れているじゃないか。眠れなかったのか？」

「……おはようございます」

藤代さんに覗き込まれるように顔をまじまじと見られ思わずタオルで顔を隠した。

「すまない、朝から。でも大丈夫か？　今日は休むか？」

私は俯いたまま首を振る。

「昨日はご迷惑をおかけしました。本当に助かりました。すみませんでした」

「そんなことはいい。俺が中丸さんのことを心配だっただけだ。それよりもすぐに助けるべきだったと反省したんだ。もちろん証拠は大事だが、それよりも中丸さんを傷つけてしまったことは申し訳ないと思っている。すまない」

彼は私に頭を下げてくれた。そもそも私と悠真との別れで、藤代さんは巻き込まれただけの迷惑な話なのに謝るのは違う。巻き込んでしまった私がむしろ謝るべきだ。

「こちらこそ本当にすみませんでした。藤代さんにはご迷惑ばかりおかけしてしまって。できるだけ早く出て行きます」

私も頭を下げた。

「いいや、出て行かないでくれ。中丸さんはここにいていい。迷惑なわけがない」

「でも……」

「俺が君にいて欲しいんだ」

その言葉に思わず私は固まった。と同時に藤代さんも私の顔を見つめ固まっていた。
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