俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜

もしこれで悠真が納得してくれたら私は安心して暮らせるようになる。
あのマンションにはもう住めないが、改めて住む場所を探してやり直さなければと思う。
でもそうなると今度こそ藤代さんの部屋から出ていかなければならない。
緊急避難のような形で転がり込んだ彼の部屋はずっといていい場所ではない。
今朝彼から言われた言葉が頭の中で木霊する……。

『俺が君にいて欲しいんだ』

この意味は何？
どうしても自分に都合のいいような意味に聞こえたくなる。
昨日美和に言われた、藤代さんが私に気があるんだと思うって言葉も引っかかっている。
もし本当にそうなら、と考えるだけで胸の奥が掴まれるような気持ちになる。
悠真との関係が終わりを迎え嬉しいのに、何故か寂しく感じてしまう相反する気持ちに自分ではどう折り合いをつけたらいいのかわからなかった。