俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
「すまない。突然こんな話をされても困るよな」

そう言うと抱きしめた手を緩め私から距離をとった。
決して嫌なわけではない。でもなんていったらいいのかわからなかった。彼に迷惑をかけないために今日ずっと家を出ていかなければと考えていた。

「俺は君にいて欲しい」

真正面からのストレートな言葉に改めて胸を打たれた。
私も彼の気持ちに素直に応えたい。それには悠真とのことをしっかり解決して前に進まなければと思った。
藤代さんは私からの返事を求めるわけでもなく、普段のように笑顔を私に向けてくれた。
一緒に食事を作り、食べ、別々の部屋で眠った。
まるでさっきまでの話は現実ではなかったのかと思うほど何も変わりない日常だった。
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