俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜

決着、そして…

それから2週間。
ようやく悠真との話合いが進んだと咲坂さんから連絡がきた。

『桂さんと話が付きました。マンションは今月末までに退去してもらいます。慰謝料ですが、先日の待ち伏せの件も含めて請求し、了承されました』

「そうですか。ありがとうございます」

『それでマンションですが今後どうしましょうか……中丸さんが契約されているので戻ることも可能ではありますが』

まさか、そんな気にはなれない。私は即答で解約したいと伝えると咲坂さんもその方がいいと言ってくれた。
マンションの処分を頼むと私は電話を切った。
これでようやく彼からの連絡に悩まされることも、住むところに居座られ困ることも無くなった。
私が悠真と付き合ったこの年月があっという間に崩れ去り、何も無くなった。
始めこそ空虚を感じていたがいつの間にか藤代さんが埋め、私を満たしてくれた。
これで私を苦しめるものは無くなった。もう素直になりたい。
あの日から藤代さんは何事もなかったように過ごしていてくれる。あの時のことは夢だったのではないかと思うくらい。
むしろ意識してしまっているのは私だけのような気さえしてくる。