俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
朝になり悠真が帰ってこなかったことを再確認すると気が滅入ってしまった。
今まで彼が帰ってこなかったなんて一度もない。そのくらい今回は怒らせてしまったのだろうか。
はぁ、と無意識にため息が漏れてしまう。
プライベートで何があっても仕事には行かなければならない。身支度を整えると家を出て会社に向かった。
変わらないルーティンワークをこなし、食欲のないままお昼にサンドウィッチを軽くつまんだ。
今日に限って特に急ぎの仕事もなく、定時に終わったので昨日果たせなかったハンバーグを作ろうとスーパーに寄り、材料を買い揃えるとマンションへ帰った。
遠くから部屋に明かりが灯っているのが見えた。
悠真が帰ってる!
私は小走りにマンションへと急いだ。

「ただいま!」

「おぅ、お帰り」

何事もなかったような悠真の様子に私はホッとした。

「昨日はごめんね。すぐにハンバーグ作るからね!」

手を洗うとすぐにキッチンに立った。すると彼は私の後ろに回り込むと背中から抱きしめてきた。

「俺のほうこそ身勝手なこと言ってごめんな」

首にかかる彼の息がくすぐったい。甘えるようにわざと私のうなじを何度も唇がなぞる。そのうちに前に回っていた手が服の中に入ってきた。お腹から徐々に上の方へと上がってくる。そのまま下着の上から胸を優しく揉み始めた。だんだんと反対の手はスカートの中に入り込み、際どいところを何度も指がかすめる。

「ゆ、悠真……」

「俺、香奈美が好きだよ」

その言葉に私は嫌われてなかったんだ、とただホッとした。まだ求めてもらえるんだと安堵した。
気がつくと胸の下着は捲り上げられ、舌で先端を転がすように何度も執拗に刺激する。反対も指でいじられ、立っていられなくなってしまう。するとそのままソファに押し倒され、彼は私の中に入ってきた。何度も繰り返される彼の動きに私はただ耐えた。
彼に求められていることが嬉しいだけで、正直なところ体をつなげることが気持ちいいとは思えない。嫌だと言ったら悠真は離れていってしまうのではないかと思うと不安で言い出せない。
何度も繰り返される律動を必死に枕を握り耐えているといつものように終わった。

「香奈美、気持ちよかった?」

悠真は毎回聞く。なぜ聞くのかはわからない。けれど彼の求めている答えはわかる。

「うん。すごくよかった。悠真ありがとう。大好き」

すると笑顔で、そうだろう?と言わんばかりに頷いていた。
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