俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
私はいつも通り仕事をこなし、今日だけは定時で帰宅した。
帰ってすぐに煮込みハンバーグやミネストローネを作った。
これが彼との最後の食事になると思うと野菜をたくさん取ってほしくてマリネまで作り始めた。
この前立ち寄った不動産屋さんで私は新しい部屋の契約をしてきた。家財道具もない今、ウィークリーマンションなら手軽なので引っ越しを決めた。今すぐにでも引っ越しするのは可能だが、藤代さんに言えず1週間ここで過ごしてしまった。

「ただいま」

玄関から聞こえるその声に胸の奥がぎゅっと締め付けられる。

「お帰りなさい」

何気ない言葉なのに、何よりも幸せだ。リビングから顔を出すと彼は手に紙袋を持っていた。

「はい、お土産」

「ありがとうございます。もうご飯できてますよ。すぐ食べますか？　それともお風呂にします？」

「なんだか新婚みたいだな」

確かにそんな会話になっちゃっていた。指摘され恥ずかしくなってしまう。
すると頭をまたポンとされ「お風呂入ってくるよ」と言われた。そのまま彼はバスルームへ消えていった。
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