俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
彼がお風呂から出る頃には温め直した料理がテーブルに並んだ。

「凄いな。帰ってきてからこんなに準備したのか?」

「意外と簡単なものばかりなんですよ」

「仕事もしてるのにこんなにやるなんて大変だっただろ? ありがとう」

藤代さんの言葉に胸が熱くなる。
私だって仕事をして帰ってきている。帰宅してから食事の支度や洗濯、掃除、とやったことを評価してくれるんだと思うと嬉しくなる。お礼を言って欲しい訳ではない。むしろ今はお手伝いとしてここにいる身分なので当たり前のはずなのに、それでも褒められれば自分を認められたようで嬉しい。
いつものように向かい合わせに座ると私はグラスにビールを注いだ。

「お疲れさまです」

「お疲れさま」

グラスを小さくカチンと合わせると藤代さんは半分くらい勢いよく飲んでいた。私もリラックスするためにいつもより多めに口に運んだ。
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