俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
真鍋くんに藤代さんの話を聞いてからなんの連絡もこなくなった。
風の噂で藤代さんが渡米したと聞いたのはそれから2週間後だった。
以前だったらそんなことは当たり前だったし、誰がどこに出張に行っているのかなんて後から聞くことのほうが多かった。それなのに今は周りの話で彼のことを知るのが辛い。自分から彼のマンションを出て、自立すると決めたのに胸の奥にポッカリと穴が空いたようで苦しい。
でも今私がやるべきことは仕事。もうこれしか私には残っていない。
藤代さんへの気持ちを断ち切るように私は今まで以上に仕事をこなした。周囲からは、そんなにやらなくてもと言われたが、私は忙しいくらいの方がちょうどいい。目の前のことに集中できる方が彼のことを考えずに済む。
その後も藤代さんからの連絡は途絶えたままだが周囲から彼の評価が耳に入ってくる。初めての海外進出はとても大変なことだと伺いしれる。けれども国際事業部の部長としてみんなを率いている彼の凄さに改めて感服した。
やはり私が隣にいられるような人ではなかったんだと思った。
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