俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
「明後日の金曜に国際事業部のメンバーが一時帰国するみたいですよ」

一ヶ月が経った頃に隣の席の子から聞いた。

帰ってくるんだ……。

この一ヶ月半なんの連絡もなかった彼が帰国する。私はどんな顔をしたらいいのかわからなくなっていた。むしろ彼も私に会うのが気まずいだろう。そう考えるといたたまれない気持ちになる。
はぁ……。
知らず知らずのうちにため息がこぼれ落ちる。彼への気持ちを風化させなければならないとわかっているのに、彼の優しさや誠実さに触れ、惹かれてしまった。職場では知らなかった彼の一面を知ってしまった。知らなかった頃にはもう戻れない。
私から家を出たけど、やっぱり彼を忘れることなんてできない。彼から連絡がないのは彼の気持ちが私になくなった証拠だと分かっている。でも諦めきれない。
私は連絡が途絶えてから毎日考え続けていた。諦めようと何度も思った。それでも翌日になるとまた悩んだ。きっとこれから先も考えてしまうだろう。それならばきっぱり彼に振られて終わりたいと考えるようになった。
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