俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
「お疲れ様です」

隣のフロアから歓声が上がった。私はパソコンから顔を上げ、ふと右を向くとスーツケースを手にした5人が目に入った。その中でも一際目を引く彼がいた。
大変でしたね、と色々な人に囲まれる彼を遠目に見ていると、ふと視線が合った。そしてふっと笑ってくれた気がした。
私は一気に顔が火照る。そして喉の奥が締め付けられ苦しくなった。思わずパソコンに隠れるよう顔を下ろした。
どうしよう、ドキドキして胸が苦しい。
あんなに会いたかった彼が目の前にいる。それだけでこんなに胸が締め付けられる。
帰って来た面々はシカゴの報告のため残っていた国際事業部の人たちと打ち合わせで会議室に移動した。立ち上げたばかりの国際事業部は2/3は国内に残り指示を受け動いていたようで、お互いの新着状況の確認が必要のようだった。
まだ始まったばかりの仕事に忙しそうだ。でも1ヶ月半会えなかった間に精悍な顔つきに変わった気がする。それだけ大変だけどやりがいのある仕事なのだろう。
ますます私の手の届かないところにいってしまったと思ってしまう。けれど、私はもう後悔したくない。彼に私の気持ちを告げ、終わりにしよう。
仕事を終え、帰ろうとするが国際事業部は会議室から出てくる様子はない。
話せるタイミングはなさそうで諦め、私は帰宅した。
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