俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
部屋にはベッドとテーブルしかなく、クッションを置き、そこに座ってもらった。
さっきまできっと会社でコーヒーを飲み続けていただろうと思い、私はほうじ茶を入れた。

「どうぞ」

「ありがとう」

お茶と一緒に小さなおにぎりも3つ乗せて目の前に置いた。すると驚いたような表情を浮かべていた。

「あの、夕飯の残りなんです。梅とシャケと明太子なんですけど、もしよかったら」

きっとお腹も空いているだろうと思って出してしまったが、迷惑だっただろうか。

「いや、お腹は空いている。それにずっとアメリカだったから日本の米が嬉しいよ。まさかおにぎりが食べられるとは思っていなかった」

彼はやっと表情を緩め、一緒に暮らしていた時のような表情を浮かべた。
さっき会社で見かけた時の精悍な顔つきも素敵だったけど、いつものリラックスした表情も私は好きだと思った。
おにぎりを一口食べると、美味しいと思うだけいい、あっという間に3個食べてしまった。

「おいしかったよ、ありがとう」

私も嬉しくなり、よかったですとだけ伝えた。
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