俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
「私は藤代さんと一緒に過ごしているうちにとても癒されました。こんな素敵な人と一緒に暮らしていけたら幸せだなと仮そめの関係なのに思ってしまいました。どうして悠真とこんなに違うんだろうっていつも考えていました。付き合っていたはずの彼からの仕打ちに疲れ果て、乾ききっていた私の心に優しさが染み込んできました。でも優しさを勘違いしたらいけないといつも思っていました」

「俺は勘違いして欲しくて囲っていたんだ。あいつとは違うってわかって欲しかった。それなのに肝心なときに君を守れなかった。その上君の心を掴めずに離れてしまって心底自分が嫌になったよ」

「そんなことない。あの時ちゃんと守ってくれたじゃないですか」

「いや、君に怖い思いをさせてしまった」

確かに悠真に攻め立てられ怖かった。でも藤代さんが駆けつけてくれてどれだけホッとしたかわからない。顔を見た瞬間に脱力してしまうほど安心してしまった。

「藤代さんは守ってくれました。それにあの時のことがのあったおかげで先に進むことができました。咲坂さんもすぐに動くことができましたよ」

「そうかもしれないが……」

彼にとってはなかなか飲み込めないのかもしれないが、これがきっかけで大きく前進したのだから私はよかったと思っている。
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