俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
同棲生活はとても順調だった。
もちろん彼はハードワークで、シカゴとの連絡を取り合うため朝早く出勤したり、帰りが遅い日も多かった。それでも合間を縫っては一緒に料理をしたり、映画を見に行ったり、買い物をしたりとごく普通のカップルのように過ごしていた。
あの頃の仕事も家事も追われて過ごしていた日々が嘘のように楽しく充実した毎日に幸せを感じていた。

「最近中丸さんって雰囲気変わりましたよね。なんていうか、包み込むオーラが変わったっていうか」

そんなことを隣の席に座る2歳下の子に言われた。

「今までもいい人でしたよ。頼まれたら断れない姐御肌的なところも真面目なところも。でも根本的なところがちょっと変わったと思います。いい意味で接しやすくなったというか」

こんな話さえする余裕もあの頃はなかった。仕事を大切にしたいのに悠真のために脇目も振らず仕事に追われていた。時間が遅くなればなるほど機嫌が悪くなる悠真のことばかりが頭に浮かび、終わると同時に駆け出すようにここから飛び出して帰っていた。昼休みだって削ることも少なくなかった。
でも今は違う。同じ仕事量でも精神的に追い込まれていない。だからこそこんなふうに話ができるようになった。
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