俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
「そう言ってもらえて嬉しい。みんなと話したかったのになかなか出来なかったから」

「話しかけちゃいけないオーラが出てましたもん」

やっぱりそう見えてたんだ。私もみんなとの距離を感じていたもの。

「もし良かったらどんどん話しかけてほしい。ダメかな?」

「ダメなわけないじゃないですか。私もこうして話せるようになって嬉しいです。ずっと気になっていたんです。中丸さんも話しかけてくださいね」

やっとこうやって普通に同僚として会話ができるようになったのが本当に嬉しくなる。
彼女にランチにも誘われ、近くにあるリーズナブルなお店を教えてもらった。

「ここ穴場なんです。美味しいし安いし」

私の頼んだランチセットはドリアにサラダとドリンクまでついて780円。同僚と食べるランチは楽しくてあっという間の1時間だった。

「そう言えば、社長が引退するって聞いたんです。知ってます?」

「そうなの?」

「はい、なんだか息子さんに代替わりするって聞きました」

「息子さんがいるって聞いたことあるけど、呼び寄せるのかな? でもうちの会社に来て、すぐに社長職なんてできるのかな」

「そうなんですよね。ワンマンな人じゃないといいですね」

私も頷いた。せっかく今の会社は成長し続けていて、海外にも手を広げ拡大してきているところなのにどうなるのだろう。晴臣さんの仕事に影響が出ないといいなと脳裏をよぎった。
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