俺が君を守ってやる〜御曹司の執愛はどこまでも深く〜
夜になり悠真は何事もなかったように彼は帰宅した。
出かけた時と同じようにスーツを着ているが、彼の服からは女性物の香水の匂いがしていた。

「ただいま。あー、疲れた。腹減ったー」

何事もなかったように悠真は帰宅した。

「どこに行ってきたの？」

「はぁ？　出張って言っただろ。長野だよ」

少し苛立ったような声に私はいつものように萎縮してしまう。でも今朝見たテレビの映像が頭から離れない。自分を奮い立たせるようにぎゅっと手を握りしめると彼を問い詰めた。

「悠真、テレビに映っていたよ。行ったのは長野じゃなくて群馬でしょ？　女の子と一緒だったよね？」

一瞬彼の動きは止まった。そして左上を少し見上げると、小さなため息をついた。

「見間違いだろ？　疲れて帰ってきた俺を香奈美は疑うのか？」

「だって……。あれは間違いなく悠真だった。湯畑のところでアップで映っていたよ。それに……女の子の頬にキス、してたよね」

すごく言いにくかった。
でも聞かなければいけないって思った。
私が彼の目を見つめていると悠真は大きくため息をついた。

「あぁ、会社の子と旅行に行ったよ」

「うそ……。どうして？　なぜそんなことするの？」

「香奈美といてもつまらないから」

吐き捨てるように一言言うと荷物をドサッと下ろした。

「悠真、浮気してたの？」

恐る恐る聞くと、ククッと笑い出した。

「浮気？　違うよ。遊び。香奈美と結婚するからその前に遊んだだけ。浮気じゃないからいいだろ」

え？　浮気じゃないって……どういうこと？
彼の言葉がわからない。

「香奈美は俺のこと好きだろ？　だから結婚してやるよ。この先も一緒にいような。俺も香奈美が好きだし」

彼の手が私に延びてきて思わず後ろずさった。そんな私の姿に苛立ったのか、チッと舌打ちが聞こえた。
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