オタクな生徒が俺を「柊弥たそ」と呼び、讃え崇めてきます。
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何だか落ち着かない。
誰もいない部室は、酷く寂しく感じる。
伊藤さんが来なくなってそろそろ2週間が経つ。
もしかしたら今日は来るかも。
そう思い、毎日ここで待機をしていた。
しかし、今日も来ない。
「……どうするかぁ」
独り言を漏らしながら棚に向かい、伊藤さんの部活用ノートを手に取った。
それには伊藤さんが考えた沢山の俳句が書かれている。
『戻りたい 願い続けて 早3年』
『きっと咲く 枯れた心に 愛の華』
『届かない 優しい父母の 優しい手』
捻りの無い素人の俳句。
だが、そんなことはどうでも良くて。
伊藤さんが書いた俳句には、伊藤さんの心情が漏れ出ていた。
……何故、気が付かなかったのか。
「……」
伊藤さんのこと、網本さんなら知っているかな。
そう思い俺は伊藤さんのノートを持って、網本さんがいるであろうボランティア部に向かった。