社畜地味OLは異動してきた甘々上司に甘やかされるそうです。

　それからしばらくして優輔は、知代子直属の上司になる事が決まった。部長が産休育休から戻るまでの期間限定ではあるが、知代子の所属する部署を束ねる部長になる事が決まったのだ。
　優輔はあの時知代子を叱責していた部長の顔と名前は把握していたので、それを機に知代子の所属する部署を探偵も雇い調べる事にした。
　すると部署の問題点がこれでもかと浮かび上がってきたのである。

（ひどいな、こんな劣悪な部署で……）

　調査の過程で叱責されていたのが知代子で、彼女は先輩などから仕事を押し付けられているのも把握したのだった。

（どうすれば、彼女が楽になれるか……）

　知代子の為に。考えを巡らせていくうちに優輔は知代子に惚れ、知代子を甘やかしたいという気持ちが芽生え始めていったのである。
　そして優輔は知代子以外の部署の社員を排除し、一部業務のオート化や、無残業などと言った改革を密かに進めていったのだった。
　そしてあの日。優輔は知代子を付けていた。部長としての日々を迎える前に一度知代子と話したかったからだ。優輔にとって知代子とぶつかるのは計画外だったが、彼女の話や愚痴を聞くという点では、計画通りに行ったと判断して良いだろう。