社畜地味OLは異動してきた甘々上司に甘やかされるそうです。
 その後は気持ちよくなるくらいぐいぐいとビールが進み、どんぶりをはじめとした料理も進む。気分は今、これまで経験した事が無いくらいにハイテンションになっているのが理解できる。

「そんなに勤務先の環境がひどいとは……」
「ええ、本当そうなんですよ! 私しかまともに働く人いないし、皆仕事私に押し付けて来るし上司は理不尽だしほんと最悪なとこですよええ!! 辞めたいですけど今のご時世転職なんて厳しいの分かり切っていますし給料はそれなりには満足してるので踏ん切りがつかないって言うかあ……」
「大変さが伝わってきました。今日は泊まっていきます?」
「ええ、ぜひ泊まらせてください! って言いたい所なんですが会社を休む理由が思いつかなくて……あのその、どうしよっか……」
「……なら俺が電話して伝えますよ。それならあなたが直に話さなくて大丈夫でしょ?」

 ああ、その手があったか。とうなづくも彼にお願いするのは少し気が引ける部分も感じる。
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