身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~
 巧巳は耀たち同様、祖父の遺産のことを不自然に思っていて調べ始めていたが限界があった。

 真剣な巧巳の様子に耀は彼を信用し、情報提供を受けることにした。
 耀の持っている裏ルートを使うとあっという間に伯母が弁護士と結託し、祖父の遺言を改ざんしていた証拠をつかむことができた。

 帰国後、しかるべき対応をするつもりでいたが、祖父から“嵯峨家から結乃を貶める文書が送られてきた。しかも、嫁を娘に交代したいなどとバカなことを言い出している”と連絡が入った。

 驚いた耀はものすごい勢いで仕事を巻いて、何とか一日早い便に飛び乗った。

「ただでさえ専務、結乃さんと離れて機嫌が悪かったのに、会長から変な話聞いたもんだから、さらにブリザードが吹き荒れちゃって大変でしたよ。僕も瞬間冷凍のマグロのようにカッチカチに凍らされました」

「湊、結乃にくだらない話を聞かせるな」

 空港で結乃が嵯峨家に呼び出されるらしいと巧巳から連絡が入り、嵯峨家に向かうことにした。巧巳は姉に探りを入れて聞き出したらしい。

「それで、巧巳君はわざわざ大阪から駆け付けてくれたんですね」
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