冷酷な御曹司は虐げられた元令嬢に純愛を乞う「その後のお話し」
これほどまでに他人によって、不快な思いをした事がないと言う程、俺は苛立ち部屋に戻っても、しばらくその悔しさにも似た怒りで頭が一杯になってしまっていた。
莉子は俺の態度で何かを感じ取ったようで、ただ隣に座り寄り添い心配し、怒りが静まるのを待ってくれているようだ。
莉子の小さな手をおもむろに取り、自分の指に絡めて繋ぐ。
それだけで、少し心が落ち着きを取り戻す。
俺は息をフゥーっと深く吐き、気持ちを切り替え話し出す。
「嫌な思いをさせて悪かった…。心配しなくても大丈夫だ。」
「いえ、私は話しの内容は分からないので、大丈夫です。それよりも…司さんに嫌な思いをさせてしまって…私がもっと警戒していたら良かったと…反省しています。」
「莉子のせいでは決してない。あんな風に紳士的な態度で来たら、誰だって分からない。」
「なんて、言われたんですか?」
「莉子は知らなくていい事だ。」
そう言って莉子の肩を引き寄せ頭を撫ぜる。
あの男の真意は分からないが、彼女がわざわざ傷付く事はない。
こう言う時は何か甘い物でも食べに行くか、と正利君達も誘い喫茶店へと足を向ける。
喫茶店で莉子と亜子はプリンやアイスクリームを食べて、嬉しそうにしている。
俺も正利君とコーヒーを飲みながら、先程の英国紳士の話しをかい摘んで話し、気をつける様にと注意を促す。
もちろん英語で話した事は伝えなかったが、俺のいる前で莉子を誘うと言う行為は、いささか不気味な怖さを感じる。
「分かりました。亜子が1人で行動する事がないように気を付けます。」
と正利君も気持ちを正していた。
帰り際、珍しく亜子から呼び止められて、束の間2人で話す事になる。
「どうした?」
怪訝な顔で俺が聞くと、
「なんて言われたんですか?」
と、聞いてくる。
「…なぜ、そんな事を聞く?」
不思議に思って聞き返すと、
「お姉様が、英語で何か嫌なこと言われたんじゃないかって言ってました。」
「わざわざ傷つくこともないと思って、俺は莉子にあえて伝えなかったんだ。なぜ君は知りたいだ?」
俺は理子の真意を聞く。
「私はずっとある意味女性が蔑まれるような場所にいました。だからなおさら侮辱するようなことを言われると腹が立つんです。それが自分の姉に対することだったらなおさらです。」
そんな亜子の強い信念を聞き、俺も黙っていていいことではないと彼女にありのまま告げる。
「そんなひどいことを…私、断固抗議に行って参ります。」
亜子は稲妻の如く、俺に背を向け歩き出すから、
「ちょっと待て。相手は英国人だ。手を出されたら危ない。」
そう言って、彼女をひとまず踏み止める。
「だって、あまりにも日本人を馬鹿にしてるではありませんか。」
亜子の怒りはごもっともだが、
「確かに腹は立つが、そう言う事を言った日本人がいた事も確かだ。」
「だけど、お姉様をそんな風に見下されるのは我慢がなりません。」
分かりやすく怒りを露わにする亜子に、同意はするが危うさを感じる。
「君の気持ちには同意するが、無鉄砲な行動は莉子が悲しむ。相手の思惑も分からないから下手に挑発に乗らない方がいい。」
そう諭しその場は別れた。
莉子は俺の態度で何かを感じ取ったようで、ただ隣に座り寄り添い心配し、怒りが静まるのを待ってくれているようだ。
莉子の小さな手をおもむろに取り、自分の指に絡めて繋ぐ。
それだけで、少し心が落ち着きを取り戻す。
俺は息をフゥーっと深く吐き、気持ちを切り替え話し出す。
「嫌な思いをさせて悪かった…。心配しなくても大丈夫だ。」
「いえ、私は話しの内容は分からないので、大丈夫です。それよりも…司さんに嫌な思いをさせてしまって…私がもっと警戒していたら良かったと…反省しています。」
「莉子のせいでは決してない。あんな風に紳士的な態度で来たら、誰だって分からない。」
「なんて、言われたんですか?」
「莉子は知らなくていい事だ。」
そう言って莉子の肩を引き寄せ頭を撫ぜる。
あの男の真意は分からないが、彼女がわざわざ傷付く事はない。
こう言う時は何か甘い物でも食べに行くか、と正利君達も誘い喫茶店へと足を向ける。
喫茶店で莉子と亜子はプリンやアイスクリームを食べて、嬉しそうにしている。
俺も正利君とコーヒーを飲みながら、先程の英国紳士の話しをかい摘んで話し、気をつける様にと注意を促す。
もちろん英語で話した事は伝えなかったが、俺のいる前で莉子を誘うと言う行為は、いささか不気味な怖さを感じる。
「分かりました。亜子が1人で行動する事がないように気を付けます。」
と正利君も気持ちを正していた。
帰り際、珍しく亜子から呼び止められて、束の間2人で話す事になる。
「どうした?」
怪訝な顔で俺が聞くと、
「なんて言われたんですか?」
と、聞いてくる。
「…なぜ、そんな事を聞く?」
不思議に思って聞き返すと、
「お姉様が、英語で何か嫌なこと言われたんじゃないかって言ってました。」
「わざわざ傷つくこともないと思って、俺は莉子にあえて伝えなかったんだ。なぜ君は知りたいだ?」
俺は理子の真意を聞く。
「私はずっとある意味女性が蔑まれるような場所にいました。だからなおさら侮辱するようなことを言われると腹が立つんです。それが自分の姉に対することだったらなおさらです。」
そんな亜子の強い信念を聞き、俺も黙っていていいことではないと彼女にありのまま告げる。
「そんなひどいことを…私、断固抗議に行って参ります。」
亜子は稲妻の如く、俺に背を向け歩き出すから、
「ちょっと待て。相手は英国人だ。手を出されたら危ない。」
そう言って、彼女をひとまず踏み止める。
「だって、あまりにも日本人を馬鹿にしてるではありませんか。」
亜子の怒りはごもっともだが、
「確かに腹は立つが、そう言う事を言った日本人がいた事も確かだ。」
「だけど、お姉様をそんな風に見下されるのは我慢がなりません。」
分かりやすく怒りを露わにする亜子に、同意はするが危うさを感じる。
「君の気持ちには同意するが、無鉄砲な行動は莉子が悲しむ。相手の思惑も分からないから下手に挑発に乗らない方がいい。」
そう諭しその場は別れた。