クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「んーっ」
リビングのテーブルに陽向と向かい合って座る私は、顔をしかめる。
私が作った夕飯を食べたあと、陽向と一緒に学校の宿題をするのが、ここ最近の流れになりつつある。
私は今、数学の宿題のプリントに取り組んでいるんだけど。
分からない問題に直面してしまって、そこから一向に進まないんだよね。
私が、しばらく頭を悩ませていると。
「よし。できた」
「えっ、もう!?」
思わず声を出してしまったけど、目の前の陽向のプリントは、答えが全て埋まっている。
私はまだ、半分ほどしかできていないのに。
一緒に宿題をやり始めて、わずか15分ほどで終わっちゃうなんて。
さすが、陽向。成績学年首位の人は、やっぱり違うなあ。
私も少しでも陽向に近づけるように、頑張らないと。
私が気合いを入れ直したとき。
「……それで? 星奈は、さっきから一体どこでつまずいてんの?」