クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
気づいたら、向かいに座っていたはずの陽向が私の隣に腰をおろしていた。
「ひ、陽向!?」
いつの間に私の隣に!?
「俺で良ければ、教えるけど」
「いっ、いいの?」
「おう。星奈、さっきから全然進んでないし。その調子じゃ、日付が変わって朝になりそうだしな」
「朝になりそうって」
私は、ムッとする。
「陽向、いくら何でもひどいよ」
「ははっ。悪い悪い」
陽向が、白い綺麗な歯を見せて笑う。
最近、微笑む陽向は何度か見ていたけど。
今みたいに、楽しそうに声を出して笑う陽向は、久しぶりに見たかもしれない。
「それで? どの問題?」
「こっ、これなんだけど」
「ああ、これは……」
隣から、私のプリントを覗き込んでくる陽向の距離が近くて。
すぐそばから清潔感のある良い香りがして、ドキドキする。