クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
突然のことに、私はパニックになる。
「なんか眠いから……星奈の肩貸して」
「へ?」
ね、眠い!?
「たまには、俺もちょっとだけ素直になろうと思って。なあ、少しだけ……こうしていても良い?」
陽向に、上目遣いで見られてドキリとする。
「うっ、うん。良い、よ」
そんなふうに見られたら、たとえ嫌だとしても断れないよ。
肩に頭をのせられて、陽向のサラサラした髪先が首元に触れてくすぐったい……。
それに、さっきからずっと心臓がバクバクと音を立てて落ち着かない。
だけど、陽向に珍しく甘えられて。
ドキドキする以上に、嬉しい気持ちのほうが大きかった。
──ねぇ、陽向。こうして私の肩に、頭を預けてくるってことは……。
私、陽向に嫌われていないって思っても良いんだよね……?