クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「変かな?」
「いや……可愛いんじゃね?」
「ほっ、ほんと!?」
「ああ。すげー可愛いよ」
まさか、陽向がそんなふうに言ってくれるなんて、嬉しい。
「ありがとう」
「ていうか、早く行かないと遅刻するんじゃねえの?」
「あっ! いけない」
時計を見ると、もう家を出る時間になっていた。
私はバッグを持つと、急いで玄関に向かう。
「陽向。お邪魔しました」
「気をつけて。走って、転ぶんじゃねえぞ?」
「だっ、大丈夫だよ。それじゃあ」
「ああ。行ってらっしゃい」
小さく笑う陽向に頷くと、私は駅へと向かった。