クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「そっ、そーちゃんと付き合ってるって……私が!? なんで!?」
どうして、そんなことに?
「昨日、想良くんと澄野さんが二人でショッピングモールにいるのを見たって子がいるんだよ」
え!?
「しかも二人が、抱き合ってたって!」
うそ。まさかあのとき、誰かに見られていたなんて。
「あっ、あれは。私がつまずいて転びそうになったところを、そーちゃんが受け止めてくれて。決して抱き合ってたわけでは……」
「だけど、二人で出かけてたんだよね? わたし、想良くんのことが好きだからショックで……」
クラスメイトのミサちゃんが、涙目になる。
わーっ! まずい。これじゃあ、私が泣かせちゃってるみたいだよ。早く誤解を解かなきゃ。
「ちっ、違うの。それは、誤解で……」
「……どうした?」
私がどうにか弁解しようとアタフタしていると、突然背後から低い声が聞こえた。
「きゃっ。一之瀬くん!?」
ミサちゃんの驚いた声につられて振り返ると、後ろに立っていたのは陽向だった。