クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
こんなとき、いつもの陽向なら絶対にスルーするはずなのに。まさか、声をかけてくるなんて。
「みんなで星奈に寄ってたかって、何やってんだよ。まさか……いじめてるとかじゃないだろうな?」
陽向の目が、一気に鋭くなる。
「あっ、あの。わたしたちは、昨日澄野さんが想良くんと二人で出かけていたのが気になって。理由を聞いていただけで……」
「ふーん。星奈、昨日友達と出かけるって言ってたの……あれ、想良とだったんだ」
陽向に言われて、なぜか後ろめたい気持ちになってしまう。
「うん。でも、昨日はそーちゃんの買い物に付き合っただけで。私とそーちゃんが、お付き合いしてるわけじゃないから」
「えー。ほんとかなー?」
ミサちゃんや他の女の子たちが、疑いの眼差しを私に向ける。
「どうせ、嘘なんじゃないの?」
「……っ」
すぐに信じてもらえないなんて、悲しい。
「ほっ、本当に私は……」